医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)の副理事長をこの度拝命いたしました。全国の大学医学部・歯学部が会員となり、医歯学生の臨床教育課程における段階的な総合力評価のために立ち上げ、育ててこられた共用試験は、二十年ほどの実績を積み重ね、医学では令和5年度、歯学では令和6年度から臨床実習前については、公的試験として実習参加に不可欠でかつ国家試験受験要件となり、新たな局面を迎えております。あわせて、令和3年度から施行された医師法改正では、共用試験に合格した学生は、一定条件下での医療行為が合法的と認められるようになりました。
現在、医療を取り巻く時代変化は先が読めず、大学医学部・歯学部も厳しい大学運営や教育課題に直面しています。今回、創成期の先生方の献身的なご尽力による成果を受け継ぐにあたっては、今後の舵取りに改めて襟を正しておるところです。両副理事長交代を機に、良きものを守りながらも一層新しい風を入れて、現在医学部82校、歯学部29校の会員大学の皆様から信頼される透明性の高い組織としてCATOがあり続けることを目指していく所存です。
未来に活躍する医療人育成の目標に向かい共用試験の信頼性、有用性をさらに高めていくにあたって、今回の公的化に際しては、CATOでも細心の注意を払って、質の高い問題作成、問題漏洩をはじめとする不正行為の予防体制、大学相互での外部評価の標準化、公平性に基づく自己点検等を重視した方向へ、改めて舵を切ってきました。
特に、CBT(Computer-based test)は、実施時期の異なる各大学の臨床実習カリキュラムに対応して、非公開の問題プールからランダム出題される試験形式をとります。日進月歩の激しい医療の進歩を取り込むため、毎年多数の問題作成やブラッシュアップを全大学にお願いし、事後評価によるプール問題入れ替えも丹念に実施しているところです。
並々ならぬ手間と時間をかけて事前につけられた、一つ一つの問題への難易度評価が、漏洩という時に軽い気持ちでなされる行為により一瞬で瓦解することを、きちんと理解している学生は意外に多くありません。将来個人情報に対し最大限の注意を払わねばならない医歯学生には、今いちど、その身分ゆえに知り得た情報の管理に敏感であって欲しいと願っています。
質の高い評価試験がどこでも安心して受験できるしくみづくりのために、少数の人間が献身的に力を注いで維持するのではなく、各会員大学が、目指す学生像はそれぞれ異なってはいても、関係者誰もが日本の医歯学生の臨床能力向上に向け、当事者としての使命感を持って納得して関われる、持続可能な組織体制に向けて、CATOとしても最大限の努力を惜しみませんし、会員の皆様にも一層のご理解とご助言、ご協力を賜りたくお願い申し上げる次第です。
最後に、医歯学生が実地の臨床実習を経て全うな医療人へ育つためには、患者さんからの学びは欠かせません。どうかCATOの活動に深いご理解をいただき、模擬患者としてのご協力やご支援等を賜りますよう心よりお願い申し上げます。
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